一人暮らしの食費|平均4.2万円のうち食材費は8,452円

未分類

月41,992円。

34歳以下でひとり暮らしをしている人が、食べ物に使ったお金の1か月平均です(総務省統計局「家計調査」2025年平均)。

この数字を見て「そんなに使っていない」と思った人も、「もっと使っている」と思った人もいるはずです。平均というのは、だいたいそういうものなんですよね。

ただ、注目してほしいのは金額そのものではありません。中身のほうです。

41,992円のうち、米・肉・野菜といった食材そのものに使われているのは8,452円。全体の2割しかありません。

残りの8割は、外食・調理食品・お菓子・飲み物・お酒などに消えています。

この記事では、家計調査の内訳を1項目ずつ分解して、削れる場所と削れない場所を仕分けします。そのうえで、月2万円台に着地させるための配分を数字で組み立てます。

あと1つ、金額とは別の切り口があります。賞味期限は、試験で出た期限そのものではありません。 1未満の「安全係数」をかけて、わざと短めに設定するという考え方が、消費者庁のガイドラインに書かれています。

家庭から出る食品ロスのうち43%は、封を開けないまま捨てられた食品です。この話は後半で、ガイドラインの原文を引きながら見ていきましょう。

一人暮らしの食費の平均はいくら?

まず、家計調査の数字を並べます。総務省統計局の家計調査(家計収支編)2025年平均から、単身世帯の食料費を抜き出したものです。

費目単身世帯 全体34歳以下34歳以下の構成比
食料 合計44,659円41,992円100%
外食9,761円17,430円41.5%
調理食品8,289円7,785円18.5%
菓子類3,799円3,612円8.6%
飲料3,482円3,228円7.7%
穀類(米・パン・麺)3,516円2,465円5.9%
肉類2,238円1,542円3.7%
野菜・海藻3,977円1,454円3.5%
油脂・調味料1,615円992円2.4%
乳卵類1,841円807円1.9%
酒類1,947円790円1.9%
魚介類2,235円786円1.9%
賄い費(社員食堂など)155円696円1.7%
果物1,802円406円1.0%

※出典:総務省統計局「家計調査 家計収支編」2025年(令和7年)平均、単身世帯 第2表(男女、年齢階級別)。政府統計の総合窓口(e-Stat)で公開されている数値を並べ替えたものです。

この数字が成立している前提

金額を使う前に、前提を3つ確認しておきましょう。

ひとつめは「34歳以下」の中身です。平均年齢27.4歳、有業者比率0.97、家賃・地代を払っている世帯の割合77.6%。学生よりも、働いて部屋を借りている人が中心の層になります。

ふたつめは「用途分類」という集計方法です。この表は、他の世帯への贈答品を含まない金額で集計されています。贈答品を含む集計(品目分類)だと単身世帯全体の食料は49,321円。自分が食べた分を知りたいときは、この表の数字が実態に近いです。

みっつめはサンプル数です。34歳以下の単身世帯は集計世帯数67世帯。全体の646世帯に比べるとかなり少なく、1年の平均値としては振れ幅があります。

ぴったりの目標値ではなく、位置を確認するための物差しとして使ってください。

食費の内訳を分解すると、食材費は月8,452円だけ

先ほどの表を、「食材を買っているお金」と「それ以外」で分けてみます。

区分内訳金額割合
食材穀類・魚介類・肉類・乳卵類・野菜海藻・果物・油脂調味料8,452円20.1%
外で食べる外食・賄い費18,126円43.2%
買ってきて食べる調理食品7,785円18.5%
嗜好品菓子類・飲料・酒類7,630円18.2%

※34歳以下の単身世帯。上の表の費目を筆者が4区分に足し上げたものです。端数処理の関係で、内訳の合計(41,993円)は家計調査の食料計(41,992円)と1円ずれます。

食費の8割は、自分で調理していない支出ということになります。

節約の話になると「安いスーパーを探す」「特売日にまとめ買いする」といった方向に進みがちです。でもこの表を見るかぎり、削る余地がいちばん大きいのは食材の買い方ではありません。

外食17,430円という数字の重さ

34歳以下の外食は月17,430円。単身世帯全体の9,761円と比べると、1.8倍です。

これは年齢層の違いがそのまま出ています。単身世帯全体の平均年齢は58.6歳で、60歳以上が過半を占める構成。若い層ほど外で食べる、という傾向が金額にはっきり表れています。

男女で分けると差はさらに開きます。

  • 34歳以下・男性:外食20,214円(食料44,260円の45.7%)
  • 34歳以下・女性:外食13,767円(食料38,992円の35.3%)

一方で菓子類は、男性2,836円に対して女性4,633円。削る場所は人によって違う、ということですね。

「調理食品」は自炊に入りません

もうひとつ見落としやすいのが調理食品の7,785円です。

家計調査でいう調理食品とは、弁当・おにぎり・調理パンなどの「主食的調理食品」(4,094円)と、惣菜・冷凍調理食品などの「他の調理食品」(3,690円)を指します。

コンビニで弁当を買って部屋で食べた場合、それは外食ではなく調理食品に入ります。家で食べているので自炊しているつもりでも、家計調査上は食材費と別の枠なんです。

「外で食べる」18,126円と調理食品7,785円を足すと25,911円。食料全体の61.7%です。

ここが動かないかぎり、食費は下がりにくい構造になっています。

月2万円台に収めるための配分

では、どこをどれだけ動かせば2万円台に着地するのか。具体的な数字で組み立ててみましょう。

費目現状(34歳以下平均)目標差
外食17,430円8,000円-9,430円
調理食品7,785円4,000円-3,785円
菓子・飲料・酒7,630円5,000円-2,630円
賄い費696円0円-696円
食材(穀類〜油脂調味料)8,452円12,000円+3,548円
合計41,993円29,000円-12,993円

※2026年8月時点の価格感による試算です。金額は目安であり、地域や生活スタイルによって変わります。

注目してほしいのは、いちばん下の食材の行だけがプラスになっている点です。

外食と惣菜を減らせば、そのぶん自分で作る回数が増えます。食材費は増えるのが正常で、ここを一緒に削ろうとすると献立が続かなくなります。

この配分が成立する前提

数字だけ出して逃げないように、前提を書いておきます。

  • 外食8,000円:1回1,000円として月8回、週2回のペース
  • 調理食品4,000円:1回500円の惣菜を週2回
  • 食材12,000円:1日あたり約400円
  • 賄い費0円:社員食堂や寮の食事がない前提。ある人はそのぶん外食枠を減らせます
  • 酒類:晩酌が習慣の人は、この配分のままでは収まりにくくなります

お酒をよく飲む人、仕事の付き合いで外食が発生する人は、2万円台ではなく3万円台を目標にするほうが現実的です。自分の生活に合わない目標は、守れなかった時点で意味を失います。

ご飯1杯の原価は約50円

「1日400円の食材費」がどれくらいの水準なのか、主食から確かめてみましょう。

農林水産省が全国約1,000店舗のスーパーのPOSデータから作成している米の販売価格の推移によると、令和8年7月20日〜26日の週の平均価格は3,311円/5kg(税込)でした(令和8年7月31日公表)。前週から62円下がり、5週連続の値下がりです。

ここからご飯1杯の原価を出します。

茶碗1杯のご飯(約150g)に使う米は、炊く前でおよそ75gです。5kgは5,000gなので、5kgで約66杯。

3,311円 ÷ 66杯 = 1杯あたり約50円。

コンビニのおにぎりが1個140円前後であることを考えると、ご飯を炊くだけで1食あたり90円ほど浮く計算になります。1日1杯置き換えるだけで、月2,700円です。

米の価格は年によって大きく動きます。上の数字は令和8年7月時点のものなので、実際に計算するときは同じページで最新の価格を確認してみてください。

家庭の食品ロスの43%は「未開封のまま」

買った食材を使い切れずに捨てる。これも立派な支出です。

農林水産省・環境省の推計によると、令和6年度の日本の食品ロスは年間461万トン。うち家庭から出るものが224万トンで、全体の半分弱を占めます(環境省、2026年6月30日公表)。

その家庭系224万トンの内訳が、ここでの本題です。

内訳量割合中身
直接廃棄96万トン43%未開封の食品が食べずに捨てられている
食べ残し93万トン41%作りすぎ・注文しすぎ
過剰除去35万トン16%野菜の皮を厚くむきすぎるなど

いちばん多いのが直接廃棄。封も開けずに捨てられた食品です。

食べ残しと過剰除去は調理のしかたに関わる話なので、ここでは買い方に直結する直接廃棄だけを扱います。

消費期限と賞味期限は、法律上の定義が違います

「まだ食べられるのに捨ててしまう」の背景にあるのが、期限表示の読み方です。

ふたつの期限は、食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)第2条第1項で、それぞれこう定義されています。

消費期限(第7号)
定められた方法により保存した場合において、腐敗、変敗その他の品質の劣化に伴い安全性を欠くこととなるおそれがないと認められる期限を示す年月日をいう。

賞味期限(第8号)
定められた方法により保存した場合において、期待される全ての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日をいう。ただし、当該期限を超えた場合であっても、これらの品質が保持されていることがあるものとする。

消費期限は「安全性を欠くこととなるおそれがない」期限。弁当や生菓子など、傷みやすい食品に付きます。

賞味期限は「期待される全ての品質の保持が十分に可能」な期限です。そして条文の末尾に、わざわざただし書きが付いています。「当該期限を超えた場合であっても、これらの品質が保持されていることがある」。

つまり賞味期限は、過ぎた瞬間に食べられなくなる線ではないと、基準そのものが認めているわけです。

賞味期限には「安全係数」がかかっています

もう一歩踏み込みます。冒頭で予告した話です。

消費者庁の食品期限表示の設定のためのガイドライン(令和7年3月)には、期限の決め方がこう書かれています。

一般的には、客観的な項目(指標)及び基準から得られた期限に対して、食品の特性に応じ1未満の係数(安全係数)をかける、又は得られた期限から特定の時間や日数を差し引く等により、期限を設定する。

(消費者庁「食品期限表示の設定のためのガイドライン」2(3)ア)

試験で出た期限に、1未満の数をかける。 表示されている賞味期限は、実験室で確認された限界より手前に置かれているということです。

同じガイドラインは、続く箇所でこうも書いています。

定められた方法により保存された場合、賞味期限を表示した食品は、期限を過ぎても必ずしもすぐに食べられなくなるわけではない。

もちろん、これは「期限を無視してよい」という話ではありません。ガイドラインが前提にしているのは「定められた方法により保存した場合」です。常温表示の食品を直射日光の当たる場所に置いていたなら、この前提から外れます。

判断の目安を整理すると、こうなります。

  • 消費期限:期限内に食べきる。過ぎたものは避ける
  • 賞味期限:期限は品質の目安。保存方法を守っていれば、状態を見て判断する余地がある

冷蔵庫の奥で賞味期限を数日過ぎた未開封の乾麺や調味料。捨てる前に、まず保存方法の欄を読んでみてください。

安さだけを追うと、栄養が先に削れます

ここまで金額の話をしてきましたが、削る順番を間違えると先に落ちるものがあります。野菜です。

厚生労働省の令和5年 国民健康・栄養調査によると、20歳以上の野菜摂取量の平均値は256.0g(男性262.2g、女性250.6g)。年齢階級別にみると、男女ともに20歳代が最も少ないという結果になっています。

一方、健康日本21(第三次)が掲げる目標値は1日350g。平均で約100g足りていない計算です。

家計調査に戻ると、34歳以下の野菜・海藻は月1,454円。単身世帯全体の3,977円に対して37%しかありません。金額と摂取量、両方の統計が同じ方向を指しています。

野菜を増やすうえで現実的なのは、次の3つです。

  1. 冷凍野菜を常備する:ブロッコリー、ほうれん草、ミックスベジタブル。傷まないので直接廃棄が起きません
  2. カット野菜を使う:割高に見えますが、使い切れずに捨てるより結果的に安く済む場面があります
  3. 汁物に入れる:味噌汁やスープにすると、生で食べるより量が入ります

節約は、続けられて初めて節約になります。 体調を崩して外食が増えたら元も子もありません。

一人暮らしの食費を抑える7つの方法

ここまでの内容を、実行できる形にまとめます。効果の大きい順に列挙します。

出来ることできないことあると思うので、自分に合っているものからスタートしましょう。

やること効果の目安いつ実行するか
1. 外食を週4回→週2回に減らす月-9,430円週のはじめに予定を決めるとき
2. 惣菜・弁当を週2回までにする月-3,785円帰り道でコンビニに寄る前
3. 米を5kgで買って炊く1食90円の差買い出しの初回
4. 飲み物を水筒に切り替える飲料3,228円の一部朝、家を出るとき
5. 買い物は週2回、リストを持って行く直接廃棄を抑える決まった曜日
6. 冷凍野菜・カット野菜を常備する野菜摂取の底上げ生鮮が切れたとき
7. 会計時に「持ち帰り」を選ぶ税率8%(店内は10%)意思確認をされたとき

1と2の合計は13,215円。削減額の総計16,541円のうち、8割をこの2つが占めます。

残りは嗜好品の2,630円と賄い費の696円。合計16,541円から、増える食材費3,548円を差し引くと12,993円になり、41,993円が29,000円に着地する計算です。

3から7は金額としては小さいものの、続けやすさに効いてきます。特に5は、買った食材を使い切る習慣そのものなので、食材費を12,000円の枠に収めるための土台になります。

なお、まとめ買いと作り置きを前提にするなら、冷凍室の容量が効いてきます。どの家電から買うべきか、予算をどう配分するかは一人暮らしの家電おすすめ7選にまとめています。

一人暮らしの食費に関するよくある質問

Q. 食費は収入の何%くらいが目安ですか?

A. 家計調査の34歳以下・単身世帯では、消費支出177,542円に対して食料が41,992円。割合は23.7%です。

ただしこれは手取り収入ではなく消費支出(実際に使ったお金)に対する比率になります。手取りに対する目安を出したいときは、貯蓄額を先に決めてから残りで組み立てるほうが現実的です。

Q. 自炊すると光熱費が増えて、結局同じになりませんか?

A. 増えるのは事実です。ただし、金額を出すには自分の機種の数値が必要になります。

炊飯器や電子レンジの1回あたりの消費電力量は、機種ごとに資源エネルギー庁の省エネ型製品情報サイトで公開されています。電気料金の目安単価は全国家庭電気製品公正取引協議会が定める31円/kWh(税込)なので、消費電力量にこれを掛ければ1回分の電気代が出ます。

この記事では機種別の数値まで確認していないため、光熱費込みの損益分岐点は示していません。気になる場合は、手元の炊飯器の型番で調べてみてください。

Q. まとめ買いと都度買い、どちらが安いですか?

A. 使い切れるならまとめ買いが有利です。ただし家庭系食品ロスの43%が未開封のまま捨てられている点は踏まえておきたいところです。

冷凍できるものはまとめ買い、生鮮は都度買いという分け方が、廃棄を出しにくい組み合わせになります。

Q. 賞味期限が数日過ぎたものは捨てるべきですか?

A. 食品表示基準の条文には「当該期限を超えた場合であっても、これらの品質が保持されていることがある」とただし書きがあります。消費者庁のガイドラインも、賞味期限を過ぎてすぐ食べられなくなるわけではないとしています。

前提は「定められた方法により保存した場合」なので、パッケージの保存方法の欄を確認したうえで、状態を見て判断してください。なお消費期限は性質が異なるため、期限内に食べきる前提で扱いましょう。

まとめ|削る場所は、食材ではない

この記事の結論を並べます。

  • 34歳以下・単身世帯の食料費は月41,992円(2025年平均・用途分類)
  • そのうち食材費は8,452円で、全体の20.1%
  • 外食17,430円+調理食品7,785円+賄い費696円で、食料の61.7%
  • 2万円台に着地させる配分は、外食8,000円・調理食品4,000円・嗜好品5,000円・食材12,000円
  • 食材費だけは増やすのが正解。
  • 米は3,311円/5kg(令和8年7月)。ご飯1杯の原価は約50円
  • 家庭系食品ロス224万トンのうち43%は未開封のまま捨てられたもの
  • 賞味期限は1未満の安全係数をかけて設定される。過ぎた瞬間の線ではない

食費を下げようとすると、まずスーパーの値札を見に行きたくなります。でも家計調査が示しているのは、削る余地が集まっているのは食材売り場ではないということでした。

決済アプリを開いて、直近1週間の外食と弁当・惣菜だけを足してみてください。4,000円(月17,430円の週割り)を超えているなら、動かせる余地はまだ十分に残っていますよ!

コメント

タイトルとURLをコピーしました