一人暮らしの光熱費の平均は?34歳以下は月8,291円

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一人暮らしの光熱費の平均は、月13,333円。総務省統計局の家計調査(2025年平均・単身世帯)の数字です。

ただし実は、この13,333円を自分の予算にするとかなりズレます。同じ調査を34歳以下だけで見ると、月8,291円でした。

差は5,042円。「思っていたより高い」も「思っていたより安い」も、だいたいこの分母のせいなんです。

光熱費の相場を調べても、しっくりこないまま…。

この記事では、家計調査の原表から年齢別・住まい別の光熱費を出し直します。

結論を先に置くと、いちばん効くのは節約術ではなく、契約前に決まるガスの種類でした。詳しくは後半で扱います。

一人暮らしの光熱費の平均は月13,333円?

総務省統計局の家計調査(家計収支編)2025年平均から、単身世帯の光熱・水道費を年齢階級別に並べたものです。

区分光熱・水道(月額)平均年齢持家率
単身世帯すべて13,333円58.6歳59.0%
34歳以下8,291円27.4歳7.8%
35〜59歳13,299円50.9歳50.7%
60歳以上15,380円75.0歳83.6%

※同調査 第2表(男女・年齢階級別)より作成

平均13,333円の分母に入っている対象は、平均年齢58.6歳、持家率59.0%の人たちです。

一人暮らしを始める人の像とは、かなり違いますよね。

年齢が上がるほど光熱費も上がるのは、在宅時間と住まいの広さの両方が効いているからです。

住まいの違いは、別の表でもはっきり出ます。

住居の種類光熱・水道(月額)平均年齢
持家15,588円69.1歳
民営借家11,129円45.3歳
公営借家11,574円71.2歳
給与住宅(社宅・寮など)5,333円30.1歳

※同調査 第8表(住居の所有関係別)より作成

賃貸アパート・マンションにあたる「民営借家」は11,129円。持家より4,459円低い数字です。

持家率7.8%の34歳以下は、8,291円でした。

予算は月8,000〜11,000円を置くのが実勢に近いといえます。だから「平均13,333円」を見て身構える必要はありません。

光熱費の内訳|いちばん大きいのは電気代

では8,291円の中身をみていきましょう。34歳以下の単身世帯の内訳です。

項目月額構成比
電気代4,569円55.1%
ガス代2,323円28.0%
上下水道料1,341円16.2%
他の光熱(灯油など)58円0.7%
合計8,291円100%

※同調査 第2表より作成。合計は4項目の単純和と一致します

電気代が半分以上を占めます。

この4,569円が何kWhにあたるかも出しておきます。全国家庭電気製品公正取引協議会が定める電気料金の目安単価は、31円/kWh(税込・2022年7月22日改定)です。

4,569円 ÷ 31円 = 約147kWh/月。

ただしこれは家電どうしを比べるための単価です。実際の請求は契約プランや燃料費調整で動くので、147kWhは換算値として見てください。

灯油などの「他の光熱」が58円しかないのも、34歳以下ならではです。60歳以上では1,237円まで増えます。

若い単身世帯の光熱費は、ほぼ電気・ガス・水道の3本と考えて差し支えありません。

上下水道料の1,341円は、月あたりに均した額です。水道は2か月ごとの請求が一般的なので、届く請求書は2倍前後になります。

光熱費は入居前に決まる?都市ガスとLPガスの差

上の表でガス代は2,323円でした。ところが同じ「ガス代」でも、都市ガスかLPガス(プロパンガス)かで負担は変わります。

そして賃貸では、ガスの種類は物件についてくるものです。入居後に入居者側で変えるのは、難しい側面があります。

使用量のm³は、そのまま比べられない

まず前提を整えます。都市ガスとLPガスは、同じ1m³でも取り出せる熱の量が違います。

東京ガスネットワークの公表値を引用します。

都市ガスの熱量
ガスの種類 13A/1m³あたりの標準熱量 45メガジュール
(参考)プロパンガスの熱量と圧力
熱量:約100メガジュール

つまりLPガス1m³は、都市ガス約2.2m³ぶんの熱を持っています。

だからLPガスの請求書に「5m³」と書いてあっても、そこに含まれる熱の量は都市ガスの11m³前後です。

ここで比べているのは、あくまでガスが持っている熱の量です。 実際に給湯や調理で使う量は、機器の効率や使い方でも変わります。料金がそのまま2.2倍になる、という話ではありません。

押さえておきたいのは1点だけ。「m³の数字が小さいから使用量も少ない」とは限らないということです。

金額で並べると差が見える

LPガスの価格は、日本エネルギー経済研究所 石油情報センターが全国平均を毎月公表しています。2026年6月30日時点の数字です。

使用量全国平均(税抜)税込換算
5m³5,908円約6,499円
10m³9,662円約10,628円

※公表値は税抜です。税込換算は当サイトで1.1倍したものです

LPガスで5m³(=熱量では都市ガス11m³相当)使うと、税込で約6,499円。

34歳以下の平均ガス代2,323円と比べると、約2.8倍です。

ここは前提を書いておきます。家計調査の2,323円は都市ガス世帯とLPガス世帯を合わせた平均で、使用量もそろっていません。

同条件の比較ではない、という点は押さえてください。それでも、月に数千円単位の開きが生まれる構造は読み取れます。

節約術で年に数千円を削る話と、契約の時点で月に数千円が決まる話。効き方の桁が違うんです。

2025年4月から、料金の中身が分かるようになった

LPガス料金は長いあいだ「何にいくら払っているか分からない」と言われてきました。

そこが制度で変わっています。液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則(平成9年通商産業省令第11号)第十六条第一項に、次の号が加わりました。

このうち三部料金制にあたる部分は、2025年4月から施行されています。

十五の七 一般消費者等に対して液化石油ガスの供給に係る料金その他の一般消費者等の負担となる費用を請求するときは、当該費用を当該一般消費者等が消費した液化石油ガスの量にかかわらず生ずる費用及び当該量に応じて生ずる費用並びに消費設備の貸与等に係る費用に整理し、その料金その他の一般消費者等の負担となる費用の算定根拠を通知すること。
十五の八 一般消費者等に対し、消費設備に係る配管及び液化石油ガス器具等の設置等に係る費用以外の費用を消費設備の貸与等に係る費用として請求しないこと。

十五の七は、請求額を「量にかかわらず生ずる費用(基本料金)」「量に応じて生ずる費用(従量料金)」「消費設備の貸与等に係る費用(設備料金)」の3つに整理し、算定根拠まで通知することを求めています。

十五の八は、設備料金に入れてよいものを配管とガス器具に限りました。エアコンやWi-Fi機器の費用をガス料金に乗せることは、ここで否定されています。

内見のときに聞けること

同じ第十六条第一項には、入居前の話も入っています。

十五の二 液化石油ガスの販売契約を締結しようとする一般消費者等と消費設備が設置された又は設置される施設又は建築物の所有者とが異なる場合において、当該一般消費者等と当該施設又は建築物の所有者等との間で賃貸借契約が締結される前に、当該一般消費者等に対し、直接液化石油ガスの供給に係る料金表等を提示し、又は当該施設又は建築物の所有者等を通じて当該料金表等を提示するよう努めること。

主語はLPガス販売事業者、時点は「賃貸借契約が締結される前」。

つまり契約前に料金表を見せる努力が、ガス会社の側に求められています。

所有者等(大家・管理会社)を通じた提示も認められています。つまり不動産会社に「この物件のLPガス料金表をください」と言っていいということです。

内見で確認したいのは、この3つです。

  1. 都市ガスかLPガスか(LPガスなら屋外にボンベがあります)
  2. LPガスなら、基本料金・従量料金・設備料金の内訳が書かれた料金表
  3. 設備料金がある場合、その中身が配管やガス器具の費用か

部屋の条件と同じ重みで見ておく価値があります。

入居後の節約でどれだけ下がる?

契約後にできることも整理しておきましょう。

資源エネルギー庁の省エネポータルサイトが、行動ごとの効果を金額で公表しています。部屋で実行できるものを抜き出しました。

見直すこと効果の目安(年)いつやるか
冷蔵庫の設定を「強」→「中」にする約1,910円入居直後に1回
暖房の設定温度を21℃→20℃にする約1,650円冬のはじめ
冷蔵庫に詰め込みすぎない約1,360円買い物のたび
暖房を1日1時間短くする約1,260円冬のあいだ
エアコンのフィルターを月1〜2回清掃約990円毎月
冷房の設定温度を1℃上げる約940円夏のはじめ
冷房を1日1時間短くする約580円夏のあいだ
合計約8,690円—

※エアコンは2.2kW機・9時間/日、冷房は外気31℃、暖房は外気6℃が前提。金額はいずれも同庁の公表値です

水道がないのは、上下水道料が月1,341円と全体の16.2%しかなく、削っても戻りが小さいからです。

全部やって年約8,690円。月に直すと約724円です。

やる価値はあります。ただ、前の章で見たガスの種類の差は月に数千円でした。

節約で取り返せる幅より、契約で決まる幅のほうが大きいんです。

だから優先順位はこうなります。部屋を決めるときに全力を出し、住み始めてからは無理のない範囲で続ける。

なお、冷蔵庫やエアコンの年間消費電力量は機種で大きく違います。最初の家電選びが、数年ぶんの電気代を決めるということです。

選ぶ順番と予算は一人暮らしの家電おすすめ7選|何から買う?順番と予算の目安にまとめています。

一人暮らしの光熱費についてよくある質問

Q. 月いくらを予算に入れておけばいいですか?

A. 34歳以下の単身世帯の平均は月8,291円です(家計調査2025年平均)。年間を平均した値なので、月ごとの上下は見込んでおいてください。

資源エネルギー庁の試算では、設定温度を1℃変えたときの省エネ効果は冷房で年30.24kWh。暖房は年53.08kWhと、こちらのほうが大きく出ます。

冷暖房の負荷は冬に偏るということです。月8,000円台を基準に、冬は数千円の上振れを見ておくと落ち着きます。

Q. 電気代の「31円/kWh」は何の数字ですか?

A. 全国家庭電気製品公正取引協議会が定めた、電気料金の目安単価です。2022年7月22日に改定されました。

家電のカタログや省エネラベルで「年間の電気代」を出すとき、事業者ごとに単価が違うと比べられません。それをそろえるための共通単価です。

契約中のプランの実際の単価ではない点だけ、区別しておきましょう。

Q. LPガスの物件は避けたほうがいいですか?

A. 料金だけを見れば都市ガスのほうが有利な傾向があります。ただし供給エリアの都合でLPガスしか選べない地域も多く、避ける判断が常に取れるわけではありません。

現実的なのは、料金表を見てから決めることです。2025年4月から内訳が分けて通知される決まりになったので、比べる材料は以前より増えています。

まとめ

最後に7つの項目を振り返りましょう。

  • 「月13,333円」の分母は平均年齢58.6歳・持家率59%。そのまま予算にしない
  • 34歳以下なら月8,291円。電気4,569円/ガス2,323円/水道1,341円
  • 灯油代はほぼゼロでOK。電気・ガス・水道の3本だけ見ればいい
  • 都市ガスとLPガスは1m³が持つ熱量が約2.2倍違う。
  • 2025年4月から、LPガス料金は基本・従量・設備に分けて通知される
  • 契約前に料金表を提示する努力義務がガス会社側にある。
  • 節約術は全部やって年約8,690円。そこまで効果は大きくない。

光熱費は、住み始めてから頑張る費目だと思われがちです。でも実際は、契約書にサインする前がいちばん動かせるタイミングでした。

次の内見では、「このお部屋、ガスは都市ガスですか?」と聞いてみてください。この一言で、月に数千円が変わることがありますよ!

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